フロンティア AIの未知領域である「協調」をキーワードとした研究「気づかい」を定量化

ココがポイント

AIの未知領域である「協調」をキーワードとした研究「気づかい」を定量化し、チーム作業の効率改善やストレス低減に寄与します。

シーズの概要

過労死に代表されるように、仕事によるストレスは大きな社会問題となっております。作業効率の改善やストレスの低減は、早急に解決すべき課題です。協調作業における相手からの影響(気づかい)をリアルタイムに定量評価し、相手との相性を測ることで、作業効率の改善とストレス低減につなげることができます。相手の気持ちを察し、自分の動きが相手に与える影響を予測する手法で、「気づかい」が可能なシステム(ロボット)の実現を目指しています。AI、Deep Learning、IoTの技術以外にも心理学や認知行動科学などを加えて研究開発する必要があり、関連分野の研究者と連携して展開しています。「気づかい」ができる「夢のロボット」の実現は、日本発のイノベーションにつながるものと期待できます。

独創性と創造性

個人技能とチームワークで競うパシュート(スケート)競技での日本チームの活躍は、記憶に新しいと思います。日本人の美徳である「気づかい」による勝利と言えるでしょう。
この「気づかい」に着目した研究は、世界的にも例がなく、「気づかい」を定量化して、システム化する発想はオリジナリティの高い研究です。「気づかいシステム」の要素技術は、人と人、人とロボット、ロボットとロボットのチーム作業への適応が可能です。ものづくりや熟練技術の伝承、福祉やスポーツ分野など、多くの分野へ展開でき、クリエイティブな研究と言えます。実現すると、他者との共感や充実感につながり、豊かな未来社会の創造に大きく貢献できます。

    図:「気づかい」の定量化手法

研究構想

・心理学や認知行動学的観点を加えて、「気づかい」の分類や精細化を行う。
・「気づかい」を定量化する。単独作業と協調作業における操作変化量とメンタル変化量から定量評価を行う。
・ヒューマノイドロボットの活用や「気づかい」が苦手な人との実証実験を行う。
・ビッグデータを解析して、相性評価システム(学習エンジン)を構築する。

波及効果

・言語が異なる人たちとの協調作業における、効率改善やストレス削減
・作業能力が異なる人たちとの協調作業における、効率改善やストレスの削減
・人間とロボットとの協調作業における、効率改善
・協調的自動運転システムへの応用
・その他、多くの分野で応用が可能です。

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