バイオマス資源を活用した生産技術や産業の総称です。
CO2排出量の削減や循環型社会の構築に貢献する技術として期待されています。
椎葉究教授は、減圧マイクロ波水蒸気蒸留法(減圧条件下で、熱源にマイクロ波を利用した水蒸気蒸留法/森林総研)や熱水抽出法を用いて、孟宗竹からオリゴ糖とポリフェノール成分(BOS:Bamboo Originated Substances)を抽出することに成功し、実用化に向けた技術開発を進めています。
孟宗竹はイネ科植物で、成長が大変早く、定期的な伐採が必要となります。
孟宗竹を減圧マイクロ波水蒸気蒸留法と熱水抽出法を用いて得られたBOS成分を構造解析すると共に、動物実験を行い、生理活性のメカニズムを解明しています。
直近の科研費研究において、高脂肪食+BOS飼料で飼育したマウスのフン中の腸内細菌叢の変化をメタゲノム解析(抽出したゲノムDNAを網羅的に解析)し、低級脂肪酸を生産する腸内細菌の選択的な増殖により、その効果が発現されていることを見出しました。BOS成分が腸内環境を整える機能があることを見出したことになります。さらに、皮膚の光老化防止や花粉症予防や感染症の予防などの機能もあることも分かってきました。
2019年2月に、これまでの研究成果をもとに、電大発ベンチャー“日本バイオリファイナリー株式会社(JBR)”を設立し、機能性表示食品や化粧品材料等の商品開発を行っております。ベンチャー企業でのビジネス内容について簡単に紹介します。詳細につきましては、ホームページ(https://japan-biorefinery.co.jp/)をご覧ください。
図1のフローに示すように、粉砕した孟宗竹を減圧マイクロ波水蒸気蒸留処理して、抽出液(竹水/BMW)と細胞壁部分分解された乾燥竹チップ(BMP)を得ます。BMPを熱水抽出・固液分離・乾燥して竹エキス(BOS)と竹粉砕物(RBO)を得ます。BOSエキスは乾燥することで高度精製粉末になります。各工程で得られる成分は、図2に示すような様々な商品につながってゆきます。
椎葉究教授との関りは、私がJST(国立研究開発法人 科学技術振興機構)に在籍していた時に、A-STEPの申請書を読んだのが始まりです。研究が実用化につながるには時間がかかりますが、着実に発展しており、一押しします。
研究者紹介
椎葉 究 教授
理工学部 理工学科 生命科学系
専門分野:応用微生物学、食品科学
キーワード:食品 環境 バイオ
コーディネーター紹介
平本 廣幸
研究推進社会連携センター
研究コーディネーター
バイオリファイナリー(Biorefinery)とは
浮かぶ液滴内で細胞塊を培養
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