2008.12.19
12月も下旬、入試シーズンも間近になりました。受験生はぜひ頑張って欲しいと思います。
さて最近、本学は"お買い得大学"として雑誌などで紹介される機会が増えました。ご覧になった方も多いと思います。"お買い得"とは考えものですが、要は、入学はやさしくても在学中に実力がつき、就職は引く手あまたになる、つまり「教育力のある大学」という意味と理解しています。
本学は創立以来、学生を大切にするという伝統があります。創立者の一人、廣田先生のお言葉には教育への思いが込められていると思います。「教師の最も注意すべきことは、自分が偉いように錯覚し、また自分が生徒より長年かかって現在の学力があることを忘れているのである。(中略)教師であれば初心者にもわかるように説明する方法を考えよ。それができなければ、現代に生きる資格がないと反省せよ。叱る先生には先生たる資格はない。先生にはただ愛を必要とするのである。懇切親愛こそが、先生の価値である」また創立者は、受付は最も大事な場所であるとして、自らが来校者に懇切丁寧に対応したそうです。
理工系離れ、学力低下など様々な問題が言われますが、学生を大切にすると言う精神を忘れない限り、恐れることは何もないと思っています。こうした私達の姿勢は創立100周年宣言-東京電機大学人の基本姿勢にまとめています。新キャンパスではこの基本姿勢のいっそうの実現を目指したいと思っています。
本日は国際交流についてお話し致します。多くの外国の教授が本学を訪問されます。12月18日、フィンランドのヘルシンキ工科大学のヴァイニカイネン教授ら2名の教授が、工学部 脇英世工学部長、小林岳彦教授を訪問されセミナーを開催されました。その折、学長室に表敬訪問してくださいました。
私は、1998年にヘルシンキ工科大学から名誉学位の称号を授与されました。その関係で先生方と大変話が弾みました。実はその授与式は、ヴァイニカイネン教授が教授になって初めて出席した式だったそうです。その折には、今年のノーベル平和賞受賞者で当時のフィンランド大統領のアハティサーリ氏にも名誉学位が授与されたのでした。私は大変光栄なことにノーベル平和賞受賞者とともに授与式に出席したのでした。このような関係で、これまで本学にもヘルシンキ工科大学から博士の学生が研究のため訪問されています。この学生は千葉ニュータウンキャンパスの根本幾教授のもとで脳科学の研究をされました。そして彼の指導教授であるヘッキコイボ教授も私を表敬訪問していただいています。
理工系の学者は専門の話ばかりで、面白みのない人が多いと考える方も多いと思います。しかし意外に国際的交流は研究だけでなく、人的な交流や広い話題での交流などがあります。専門の能力と共にコミュニケーション能力も重要です。これから科学技術者を目指す若い方はぜひ、この様な国際化に対応できるコミュニケーション能力を学生時代から身につける努力をしていただければと思います。
マスターアーキテクトの槇先生のキャンパス設計理念のなかに、現代版のアゴラ的空間がこれからの新しい大学の理念を象徴するものになるだろう、という内容がありました。(イメージ写真参照)
アゴラとは、古代ギリシャの年の中心にあった公共空間のことです。市民はそこで情報やモノの交換、スポーツを楽しみ、また人達が人々に知識を与える、まさに教育の場を提供していたそうです。最近ではNHKBS1で海外在住の日本人とスタジオをインターネットでつなぎ、ライブで語り合う「地球アゴラ」という番組もあるなど、一般的に使われ始めています。
大学は様々な人たちが集い、学び、語り、創造する場所だと思います。人と人との交流が活発になりさらに多くの人が訪れ、学び創造する歓びを感じるキャンパスにしていきたいと思います。
「地下鉄は都市内交通」としての位置づけから、観光目的での遠距離直通運転は都営浅草線関連の各線を除き殆どありませんでしたが、近年広範囲からの観光需要喚起を兼ねて運転されるようになって来ました。北千住関連の各線では、半蔵門線の中央林間~太田「フラワーエクスプレス」、千代田線の綾瀬~片瀬江ノ島「初日の出号」等の実績があります。
これらは通常の地下鉄車両で運転されましたが、2008年3月、小田急電鉄が地下鉄用特殊装備付きの特急ロマンスカーを開発、日本初の地下鉄線内有料優等列車の運行が始まりました。平日は町田方面への通勤特急として、休日は箱根への観光特急として北千住に乗入れています。これにより、東京北東部から不便だった箱根湯本まで約2時間で結ばれました。
*青いロマンスカーで箱根の温泉に行きたあい!。。。。
そんな方にHakone Navi ⇒ http://www.hakonenavi.jp/index.html
【編集後記】
○12/13に新東京キャンパス(仮称)内にはじめて入りました。敷地はとても広く、神田と違いまわりに大きな建物が少ないので空も広く感じました。12月というのに靴が隠れるくらいクローバーが茂っています。看板は電車から見ると小さいのですが、実際は私の背の倍以上。「写真撮るから横に立って!」と言われ、せっせと走りましたが運動不足を痛感。神田とは全く違うキャンパスができることを実感しました。(四つ葉のクロ-バーある?)
○本年最終号です。良い年をお迎えください。年明けは1/16発行予定です。
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