2022.09.09
工学研究科 日髙特別専任教授が電気学会「第78回電気学術振興賞 論文賞」を受賞しました。
2022年6月2日に、電気学会電気学術振興賞論文賞を受賞することができ、大変光栄に思います。
対象となった論文は、「真空中の絶縁破壊現象のParticle-In-Cellシミュレーション(電気学会論文誌A,Vol.140,No.6,pp.318-324,2020)」です。近年における地球温暖化防止策の一つとして、環境調和性が良く多数回の遮断が可能な真空遮断器の高耐圧化が期待されているものの、基本となる真空ギャップの絶縁破壊に対する物理的描像は十分に解明されていませんでした。本論文では粒子法シミュレーションによる絶縁破壊現象の解明を試み、中性粒子、電子、正イオン、それぞれの分布の経時変化をスーパーコンピュータにより統合的かつ多くの境界条件について計算することで、絶縁破壊現象が進展する際の物理描像や、絶縁破壊に達する物理量の範囲を世界で初めて定量的に明らかにした点が評価され、受賞に至りました。