2024.02.22
昨年6月14日から16日に開催された、第29回 画像センシングシンポジウム(SSII2023)において、ロボット・メカトロニクス学専攻の速水亮さんが「SSIIオーディエンス賞」を受賞しました。
速水さんは国立研究開発法人産業技術総合研究所においてリサーチ・アシスタントとして研究を行っています。
今回我々は、深層学習を用いた画像認識において、数式に基づいた幾何学模様を学習データとして入力することで実画像を一切必要とせずに識別精度を底上げさせるデータベース「VisualAtom」を提案しました。具体的には多様な輪郭を持つ生成画像を含む大規模画像データベースを構築し、教師あり事前学習に適用します。結果として、提案手法は数億枚規模の実画像データセットに匹敵する事前学習効果を、数百~数千万枚の生成画像でもたらすことができました。VisualAtomは1年以上に及ぶ試行錯誤の果てに完成したデータベースであり、まさに廃寝忘食の勢いで打ち込みました。時には仮説通りに事が運ばなかったり、性能がむしろ悪化したりなどと辛酸を嘗める思いを多くしました。
この苦労と研究成果の素晴らしさを一人でも多くの方に知ってもらいたく、指導教員、共同研究先の方々と何度も発表資料を添削、修正を重ね万全を期して発表に挑みました。発表当日はポスター前に人だかりができるほど注目していただき、最終的に受賞することができました。この研究が多くの企業や研究者、同研究室の後輩の助けになることを願います。