平成29年度 PBL教育支援プログラム 成果報告書「メカトロニクス基礎実験Ⅰ・Ⅱ」

2018.05.08

開講学部 未来科学部/ロボットメカトロニクス学科
科目名 メカトロニクス基礎実験Ⅰ・Ⅱ
担当教員 水谷 祐仁・花崎 泉

Q1 PBLを導入した意図・目的

ロボット・メカトロニクス学科では、機械・電気電子・情報および制御の4分野の技術を統合してものづくりのできる技術者を養成することを教育目標としている。申請の科目は、上記4分野の基礎要素に関する技能・知識を、実践を通して定着させる2年次配当の実験科目であり、3年次以降に学ぶ専門科目ならびに卒業研究、大学院での研究の基礎固めとなる本学科カリキュラムの要になる科目である。本科目の修得により学生が、①メカトロニクス技術者の基礎力と自分の学びの関係を認識する。②グループで実験を遂行のためのPDCAサイクルを実行する。③実験レポート作成により自分の作業・実験結果を的確に他人に伝えるライティング能力を修得する。以上を達成するためPBLを導入した。

Q2 授業におけるPBLの実践方法

メカトロニクス基礎実験Ⅰ、メカトロニクス基礎実験Ⅱはそれぞれ5テーマの実験から構成される。両実験を通して実施する10実験テーマは、カリキュラムの専門分野である「機械」「電気電子」「情報」「制御」の基礎要素から組み立てられ、学生にはテーマごとに主な分野を提示してある。実験は、予習週・実験週・振り返り週の3ステージで実施される。実験グループは5〜6名で構成し、上記3ステージを遂行する。
実験の運営方法とPBLへの取組み方法を説明する。
【予習課題】
学生は事前に、カリキュラムマップやシラバスを利用して実験テーマに関係する専門科目、実験に必要な原理・理論を調べてくる。
【予習週】
上記調査結果を持ちよりグループで話し合い、実験目的・手順・役割分担の確認、実験を通して理解すべき事項を事前レポートとしてまとめる。副手がファシリテータとなり討論を進める。
【実験週】
予習週のグループ討論の計画に沿って学生主体で実験を遂行する。副手は適宜補助する。実験後は各自で実験レポートを作成して提出する。提出されたレポートはテーマ担当教員が評価する。評価結果は、レポート作成スキル、課題への理解度・達成度を分けて評価シートにまとめられ、学生に添削入りレポートとともに返却される。
【振り返り週】
テーマ担当教員よりレポート作成スキルも含めて実験テーマの意義や理解すべき知識、修得すべき技術に関する講義を受けた後、教員の指導のもとグループで討論、理解度、問題点、改善点など振り返りをまとめる。振り返り事項に基づきレポートを修正して再提出する。再提出されたレポートにより理解の深度、達成度を再評価する。

Q3 授業における成績評価方法

すべての実験に出席すること、およびレポート提出することを必須とする。
各テーマの取り組み状況とレポート内容を総合的に評価する。

Q4 学習成果の可視化の取組み

・学生の実験レポートの初回評価と再評価の変移
・各実験グループの【予習週】での事前レポート、【振り返り週】の振り返りレポートの評価
・PBLに関する独自アンケート調査

Q5 PBLを発展させるための課題

・カリキュラムマップとの整合
10テーマをローテーションで実施しているため学習時期において座学科目との整合をとることが必要である。

Q6 授業の概要と進め方

ロボットメカトロニクスに関する講義、演習で身に付けた内容を実践的に理解する講義である。実験レポートの書き方を習得する。
全10テーマから構成され、各テーマは予習講義と実験から成り立つ。前期と後期でグループ・ローテーションを行い、各半期で5テーマを年間で全実験テーマを実施する。


〇PBLを主体とした教育への取組みに対する支援(PBL教育支援プログラム学内公募)

東京電機大学教育改善推進室では、平成23年度から「学生が主体となって学ぶ」形式を取り入れた、いわゆる「PBL(Problem-Based Learning又はProject-Based Learning)」による教育の開発・運営を「PBL教育支援プログラム」として支援し推進しています。
PBL教育支援プログラムは、これからPBLを取り入れていこうと考えている教員やすでに実践しているPBLをさらに工夫しようと考えている科目を対象に支援を行い、その実践と成果を学内の関係者と共有し、学生の学びを主体とした教育の推進を図ることを目的としています。