2017.06.07
第14回TDUアイディアコンテストで優秀賞を工学部 情報通信工学科の吉田 卓矢さんが受賞されました。
本アイディアは、無線LANの電波強度を測定し、その値の変動具合を利用して混雑状況を取得するものである.
本アイディアのメインテーマは、「出来る限り新しい設備を設置せずに低コストで大学内の混雑状況を取得」である。これを実現する為に私達は東京電機大学内に張り巡らされている無線LANを利用する事は出来ないかと考えた。また、電波強度によって混雑状況を取得することは、個人・集団を特定するものではないためプライバシーの点でもメリットがあると言える。
混雑状況の取得に用いる電波の受信強度(RSSI:Received Signal Strength Indicator)は、アクセスポイントから送出された電波を端末が受信した際の電波強度であり、アクセスポイントとの物理的な距離が遠くなると弱まる。また人体の導電率を考えると、端末とアクセスポイント間に人体が存在する場合は吸収損が発生する為、強度低下の原因につながる。この強度の低下を利用する事によって混雑状況を取得している。
東京電機大学では本学学生が自身の知識、興味、関心に基づいて、新規性のある発想を創出することを促進し、教育研究活動及び学生生活の活性化を図ることを目的として毎年開催しています。
アイディアコンテストに取り組んでまず言えることは、1人ではなし得ることはできなかったということです。アイディアには、友人と2人で取り組み、計画を進めていく中で、多くの場面で支えられました。
このアイディアでは、無線LANの電波強度の変動具合によって混雑状況を取得するため、より正確に混雑状況を取得するためには、測定器の数を増やしあらゆる場所に設置できる必要がありました。そのため、測定器をなるべく小さくし、目立たずにどこにでも設置できるようにしました。
電波強度を計測したところ、計測データを単純にグラフ化しただけでは、混雑している時とそうでない時の区別が全くつかず正直焦りました。さらに、計測データの解析に用いる計算式もなかなか確立させる事ができず、諦めかけていました。また、大学の講義と並行して行わければいけなかったため、まとまった時間を取ることが出来ず、思うように計画は進みませんでした。
しかし、仲間の存在と「どうにかしてこのアイディアで混雑を解消させたい」という思いから粘り強く計測データと向き合い、計算式を考え続けました。この過程で計測工学や統計学など勉強し直したり知識を深めたりしました。その結果、解析方法を確立することができ、混雑状況を0〜5の6段階で判定できるようになりました。
初めは、どうなるかと思いましたが諦めずに粘り強く取り組んで本当に良かったです。幸いにも、優秀賞という最も良い賞をいただく事ができ、達成感と次のステップアップへの励みになりました。
この先も生活を豊かにしたり人を喜ばせるようなアイディアを出していきたいです。