小学生の頃から化学の実験が好きでした。加えて、高校3年時に、有機化学の構造決定の問題にパズルを解くような面白さを感じ、応用化学科のある大学で学びたいと思うように。電大を選んだのは、興味のある分野を学べることだけでなく、立地の良さやキャンパスの綺麗さ、就職支援の充実度などにも惹かれたからです。
「応用化学実験」では基本的な器具の扱い方や実験手法を習得しました。評価基準のルーブリックはあるものの、一から自分で書くレポートは初めてで少し苦戦しました。レポートは不備があれば再提出になるのですが、TA※に細かい部分まで添削いただけたおかげで、基本的な書き方や実験結果のまとめ方、考察の仕方が身につきました。
※TA・・・ティーチングアシスタント(大学院生)
「有機化学Ⅱ」「有機化学Ⅲ」では有機化学の基礎的な反応について学習。最初はどんな条件でどんな反応が起きるのか理解が進まず、苦労しました。しかし、先生に何度も質問したり、分子モデルと呼ばれる模型を使って立体的に反応をとらえるよう努力したりしたことで克服できました。立体化学の重要性を実感した授業です。
印象に残っているのは「有機合成化学」と「錯体化学」です。前者では、反応機構と呼ばれる電子の動きを考えることで、問題をスムーズに解けるようになり、ただ暗記するのではなく、理論的に反応を考える大切さを学びました。後者では卒業研究に関連する、遷移金属錯体の基礎について学びました。
「卒業研究」では、医薬品や農薬の合成に応用できるような触媒の研究を進めています。同時に教育実習も行い、卒業後は電大の大学院に進学する予定です。そのために大学院科目の先取り履修もするなど、充実した日々を送っています。
現在の研究をより深めたく進学を希望しました。卒業研究では触媒のほかに、その触媒を作用させる物質(基質)も合成しているので、実験が満足いく成果を出したいという思いはもちろん、研究を深めていくことがその後の進路(企業研究者や理科教員)でも役立つのではないかという期待感もあります。
教師の仕事に興味があり、1年次の後期から教職課程を履修。特に印象に残っているのは、4年次の教育実習です。生徒のリアルな反応を受けて授業の進め方を改善し、納得のいくものにできた時には大きな達成感を覚えました。実習最終日に生徒たちからいただいた素敵なプレゼントは一生の宝物です。