日産自動車株式会社
カスタマーパフォーマンス&CAE・実験技術開発本部
車両性能開発部 音振性能設計グループ
A.H さん
2017年3月 大学院 工学研究科 電気電子工学専攻 修了
神奈川県/横浜英和女学院高校 出身
予想どおりの効果を得られると大きな達成感や満足感がある
電気自動車の制御系に興味があって日産自動車に入社し、車両性能開発部の音振性能設計グループで自動車の遮音性能の設計に携わっています。担当している主な車種は、ティアナやシルフィ、当社の高級車ブランドであるインフィニティのQX50などの中大型車です。このほかにも、ノートやエクストレイル等幅広い車種に関わっています。
高級車にとって、遮音性能は大事な要素のひとつです。エンジン音やロードノイズ、タイヤのパターンノイズなど、走行時にはさまざまな音が発生しますが、周波数が約800Hzから上の領域を抑制するのが私の仕事。開発中の車の3Dモデルを基にいろいろ計算したり、遮音材を検討したり、時にはテストコースで試作車のハンドルを握って、体感した結果を設計の部署にフィードバックすることもあります。
実験で得たデータを見ながら遮音対策を検討し、それを施した車に実際に乗って予想どおりの効果を実感できると、達成感や満足感を得られます。
なぜその改良が必要なのか常に合理的な説明が求められる
就活では、学生支援センターにエントリーシートを添削していただくなど、お世話になりました。日産自動車は技術系の女性の採用に積極的で、女子向けの就活イベントもあったため、参加しました。
電大の授業の魅力は、まず実験が多いことではないでしょうか。実際に触って学ぶことを大事にしているということが、卒業してからよくわかりました。実験の結果に対して、なぜそうなったか原因を考え追究するということを何度も行いました。企業の開発の現場では、結果を基に改良して、それをまた実験で検証することの繰り返しです。その第一歩を大学でたくさん経験できたことは、仕事をするうえで大変有意義でした。
さらに、なぜこの改良が必要なのかという合理的な説明が常に求められますが、学生時代に何度も発表やプレゼンテーションをしたことが、いま非常に役立っています。
電大は話しやすい先生が多かったため、自分の考えを伝えてフィードバックをもらうという習慣が自然に身につきました。こうした経験も、他部署と連携しながら開発を進めるうえで大いにプラスになっています。
自動運転やEVなど、車は大変革期を迎えています。自動車は機械ですが、電気や情報の技術も多く活用されています。理系の仕事は思っているよりもいろいろな世界につながっていることが多いので、ものづくりに興味があるのならぜひお勧めします。
「電大ガールズ」の一員として、オープンキャンパスで女子高校生向けのイベント「先輩の女子学生と話そう」を開催したり、電大の女子学生を紹介する冊子を制作して配ったり。また、大学生協の委員会にも所属し、楽しい七夕イベントなどを企画・実施。学生だけでなく、大学職員の方と交渉する機会も多く、どう話せば相手に伝わり、要望が実現できるかといったことを考えるきっかけになりました。