学校法人東京電機大学学術振興基金とは、本基金の前身となる5つの基金を平成14年度に統合して設定された基金であり、本法人が設置する学校における教育並びに研究活動の助成および学内外の科学技術に関する優秀、顕著な研究に対する援助を行い、もって科学技術の振興に寄与すること等を目的として、特色のある教育並びに研究活動や奨学援助、国際交流等の奨励に資する事業を展開しています。
独創性が豊かで特色ある授業方法や授業システム、学内外から高い評価を受けている授業方法や授業システム、顕著な教育成果をあげた教材や教科書、教育改善を期待できる教育システム等を推進した者あるいはグループ、または日頃の教授活動で創意工夫を凝らし本学の教育の充実向上に貢献した者あるいはグループを表彰しています。また、教育賞に準ずる顕著な教育を推進した者あるいはグループに対しては「教育奨励賞」として表彰しています。
氏名 | 井上 淳(いのうえ じゅん) |
---|---|
所属 | 未来科学部 ロボット・メカトロニクス学科 |
業績の表題 | 学科カリキュラムにマッチした学生視点の数学問題集の半自動作成システム—MIT方式からTDU方式へ— |
受賞理由 | 本業績は、講義を受ける学生が試験問題を作成するマサチューセッツ工科大学の「MIT方式」を応用し、申請者の所属する未来科学部ロボット・メカトロニクス学科において、学生が数学の演習問題、解説の作成から採用する問題の選別までの問題集作成の流れをシステム化したものである。本業績は、一般に販売されている問題集では学科独自の学習内容や学生のレベルに対応していない点や解説が不十分であるという問題意識から始まった。学生が問題や解説を作ることは、理解していない部分を把握し過去に学習した内容の復習を行うことにつながっている。また、作成された問題集に対する学生の満足度は非常に高く、講義で指定された範囲外の問題や興味のある分野の問題を自ら探して取り組むなど、学生の積極的な自主学習に活用されている。 |
代表者氏名(1) | 佐藤 慶介(さとう けいすけ) |
---|---|
所属 | 工学部 電気電子工学科 |
代表者氏名(2) | 吉田 俊哉(よしだ としや) 他13名 |
所属 | 工学部 電気電子工学科 |
業績の表題 | プロジェクトワークショップ科目における他分野技術者との協業による自立型デザイン学習の実践 |
受賞理由 | 本業績は、4年次の学生が研究室でチームを構成し、電気電子工学以外の分野の経験を持つ技術者等の意見を取り入れながら、設定したプロジェクト課題に取り組むものである。授業において、まず学生はグループワークを通じ各グループの目標とその目標を達成するための方策を複数立案する。その後、各方策について他分野の技術者から意見収集を行い、これをもとに目標達成に最も適した方策を改良し、作業を実施する。最後に、実施した内容についてまとめ、他研究室の教員や実務経験を持つ技術者に報告を行って客観的な評価を得るとともに、目標達成度をチーム内でも議論・評価し振り返りを行う。本業績は、1年次から3年次までに得た知識や技術を実践することに加えて、グループの意見と他分野の技術者からの意見の双方をまとめ、チームで課題を解決する能力を向上させることを目的として行っている。これは、社会で働く技術者として求められる能力であり、本学の建学の精神である「実学尊重」にもつながる取り組みであると認められるため、教育賞の授賞が決定されました。 |
代表者氏名(1) | 保倉 明子(ほくら あきこ) |
---|---|
所属 | 工学部 応用化学科 |
代表者氏名(2) | 田中 里美(たなか さとみ) |
所属 | 工学部 自然科学系列 |
業績の表題 | PBLを活用したグリーンケミストリー教育の実践 |
受賞理由 | 本業績は、1年次の学生の必修科目「環境と化学」において、アクティブラーニングの手法を活用した授業を実施しているものである。学生は、3~4名のグループで事前に提示された環境問題等に関する課題について調査し、上級生のファシリテータがフォローしながら成果発表の準備を行い、授業では履修者全員の前で発表する。発表の準備を通して、学びを深め知識の定着を促すだけでなく、グループ内の意見をまとめ、人に伝わりやすい発表の技術も向上する。また、企業で実際に活躍している講師を招き、企業における環境への取り組みを紹介し、社会問題に関連した課題を出してグループディスカッションを行うことで、学生のキャリア教育にも寄与している。本業績は、PBLを取り入れることにより、学生の知識の定着を促すだけでなく、環境科学への関心をふくらませ、2年次以降の専門教育に向かう力を喚起している。以上に述べたように、特色ある授業方法であり、独創性豊かな教育であると認められるため、教育奨励賞の授賞が決定されました。 |
海外または全国規模のイベントへの参加など、本学の広報ならびにイメージアップにつながる活動をする団体に対し、選考のうえ部品費・材料費を支援しています。
本学校法人が設置する学校の若手専任教員および大学院生が学会誌に発表した論文のうち、特に独創性が豊かで優秀、顕著な論文の著者を対象として表彰しています。募集要項および申請書は下記よりダウンロードして頂けます。
初代学長故丹羽保次郎博士のご功績を記念して、昭和52年より電子通信工学関連分野において(情報工学等の関連分野 を広く含みます)独創的な研究に従事し、かつ優秀な論文を発表した研究者に対して丹羽記念賞を授与しています。平成14年度より丹羽保次郎博士の偉業を後世に伝え残す目的から、その名称を「丹羽保次郎記念論文賞」とし現在に至っています。
氏名 |
小杉 哲(こすぎ さとし)
|
---|---|
所属 |
東京工業大学 科学技術創成研究院 |
論文名 |
Crowd-Powered Photo Enhancement Featuring an Active Learning Based Local Filter |
掲載誌 |
IEEE Transactions on Circuits and Systems for Video Technology (Volume: 33, Issue: 7, July 2023) |
氏名 |
趙 金雨(ちょう きんう)
|
---|---|
所属 |
東京工業大学 工学院システム制御系博士課程 |
論文名 |
Polarimetric Multi-View Inverse Rendering |
掲載誌
|
IEEE Transactions on Pattern Analysis and Machine Intelligence (2023/07 VOL. 45, NO. 7)
|
氏名 |
王 天澄(おう てんちょう)
|
---|---|
所属 |
神奈川大学 情報学部システム数理学科
|
論文名 |
位相雑音環境下における量子受信機の誤り率特性とそのロバスト設計の規準
|
掲載誌 |
電子情報通信学会論文誌B (2022年3月 Vol. J105–B, No.03)
|
故丹羽保次郎博士の功績を記念して、科学技術の研究に従事する大学院学生の援助の一環として、外国に留学または外国において研究する場合の費用の一部もしくは全額援助を行っています。
故丹羽保次郎博士の功績を記念して、毎年度の大学院修了者又は満期退学者のうち、課程博士学位取得者及び優れた研究成果により国内外の権威ある団体から表彰された者を対象として、丹羽保次郎賞を授与しています。
学内研究者の学術研究成果の刊行を財政的に援助し、優れた研究成果を社会へ還元することを目的として毎年1回春季に募集しています。
学業成績・人物ともに優秀な学部の2~4年生で、経済的理由により修学困難な者に対し、選考のうえ学費の一部を給付します。
人物優秀にして学業成績良好、かつ学費支弁が困難な者を対象とし、選考のうえ当該授業料の1/2以内の奨学金を貸与します。
大学院に在学する私費外国人留学生を対象とし、希望者を選考のうえ経済的負担軽減のため奨学金を給付し、留学生の学術研究を支援します。
大学院生の海外での学会参加への援助(年間100件程度)を中心として、外国人研究者の招聘、外国人研究者との共同研究、国際学会における論文発表、国際会議等の開催等の活動に対して、渡航費・滞在費等の必要経費の援助を行います。例年3回に分けて学内での交付申請を受け付けています。
本法人が設置する学校の職員・嘱託および学生・生徒が生み出した発明等のうち、実用的価値が高く、社会的に有用であり、かつ本法人にとって有意義である発明等を表彰する。なお、発明等は出願されていることを要件とする。