子どもの頃から、パチパチ溶接をしたり、金属を削ったりする「ものづくり」に憧れを持ち、将来は機械系の仕事に就きたいと考えていました。高校の先生の勧めで訪れた文化祭の雰囲気のよさと、実際に手を動かす実習が多いと聞いたことから、進学を決めました。
力のつり合いやモーメントの計算、力を分散させる構造など、力学の基礎を身につける「工業力学Ⅰ・演習」が最も印象に残った授業でした。金属に熱を加えて膨張率を計算する実験を、自分の目で確かめることができ、貴重な経験となりました。当時は一生懸命こなすだけでしたが、1年次に物理学の基礎を重点的に学べたことは、今、確実に生きています。
「機械要素Ⅰ・演習」で、ネジと歯車について理解を深めました。ネジやボルトの固定にはどのような力が働き、歯車はどうやって動き、どんな種類があるのかなどの基礎知識を学習。設計金属の硬度や耐久性を上げるための焼き入れ処理なども勉強しました。実際の設計プロセスに触れ、将来の仕事のイメージをつかめました。
「機械システムゼミⅠ※」では、高層建築物の制震に使う振り子式制震装置の模型を設計、加工、製作。図面通りに模型をつくる大変さはもちろん、動作テストでは望む結果が得られず、ものづくりの難しさを実感しました。修正も加味した工程を組む必要性があると学びました。
※2019年度入学生の3年次設置科目
卒業研究では、即戦力となるエンジニアを育成するレーシングカーの大会、フォーミュラSAEで使う競技用車両について研究。安定走行に必要なサスペンションの開発に取り組んでいます。また、「機械システムゼミⅡ※」では、過去の偉人から、技術者としてあるべき姿を学びました。
※2019年度入学生の4年次設置科目
私は将来、見る人が驚き、乗ることで感動し、わくわく感を与えられるまったく新しいバイクをつくりたいと考えています。スズキは日本に4社あるバイクメーカーの中でも、個性的で、乗り手と一体感を感じられるバイクをつくる会社だと思い、入社を希望しました。自分が手掛ける製品を通して、日本のみならず世界中を明るく盛り上げてきたいです。
3年次から本学の「フォーミュラSAEプロジェクト」に参加。現在は、12人のメンバーで活動しており、私はサスペンションを担当しました。メンバー全員で世界一を目指して切磋琢磨した経験は一生の宝物です。