建築と土木の両方に興味があった私にとって、主コースと副コースでどちらも学べるカリキュラムはとても魅力的でした。最寄り駅から無料通学バスが出ていたことも決め手の一つです。
初めて製図を経験したのが「建築都市デザイン演習Ⅰ」です。手書きの図面と2次元CADで6m四方のキューブハウスを設計し、最後に模型を製作。居住空間を広く取るために螺旋階段をつくったり、採光のために大きな窓を配置したりするなど、自分なりの工夫を取り入れました。この授業を通して住む人の視点に立って考えることの大切さを実感しました。
「建築デザイン演習ⅡB」の“原寸大で考える”という課題が印象に残っています。CADで作成した図面をもとに10人ほどのグループで協力しながら原寸大の構造物をつくるのですが、想定と違って接合部がうまく噛み合わないなど、思わぬ問題も起きました。しかし、完成した構造物を見た時には、今までにない達成感を味わうことができました。
「構造実験」ではグループごとに紙を材料とした梁を製作。より軽くて強度のある梁をつくることを目標に競い合いました。完成した模型で強度試験を行いますが、重くて固い構造が必ずしも強度に優れるわけではないことを実感。安全性を検証することの重要性を改めて認識できました。
都市計画に興味を持ったことから、「卒業研究」では多くの観光客で賑わいを見せる、川越の蔵づくりの町並みの歩きやすさを検証。自動車と歩行者の通行量や速度をコンピュータ上に再現し、相関関係を分析しました。実社会とリンクした研究で、やりがいを感じます。
卒業後は大和ハウス工業に就職します。建築物の信頼性を確保し、多くの人が安全に安心して家で過ごせるようにするために、品質保証に携わりたいと思っています。多くの現場を経験して実践的な知識と技術を身につけ、できるだけ早く一級建築士の資格を取得することが現在の目標です。
高校生の頃から旅が大好きで、建築に興味を持ったのも海外の街並みを目にしたことがきっかけでした。最近では、韓国や台湾を訪ねて観光やグルメを満喫しました。