オープンキャンパスで自分が設計した模型作品について楽しそうに語る先輩方の姿を見て、私も人に誇れるような建物をつくりたいと思い、建築学科に進むことを決めました。
「ワークショップ」では、“浮遊する建築”というテーマで設計に取り組みました。正解のないテーマについてグループで意見を出し合い、形にしていく作業はとても刺激的でした。透明な支柱で屋根を支える建物を設計し、実際に組み立てて展示をしたのですが、完成した作品を見た時の達成感は格別。建築における共同作業の大切さも実感することができました。
「建築設計製図Ⅲ」では、CADによる製図を学びました。CADを使うのは初めてでしたが、1年次に手描きによる製図の基本を身につけていたため、スムーズに習得できました。図書館を設計する課題では、コロナ禍を受けて、都会でも自然を感じられる開放的な空間を構築。生活様式の変化にともなって建築の在り方も変わることをあらためて意識できました。
建築というとどうしても意匠に目が行きがちでしたが、「材料・構造実験」を通して、材料や構造が建築においていかに重要な役割を果たしているのか理解することができました。現在も、授業で先生から伝えられた「建築は人の命を奪いかねないものである」という言葉を肝に銘じて設計に取り組んでいます。
銭湯によく通っていたことから、卒業研究では、関東大震災からの復興期に建てられた壮麗な木造銭湯建築に注目。足立区にあるすべての銭湯を回り、平面図や断面図をはじめ建築的特徴の比較検討を行いました。歴史的背景を探ることで、建築に対する新たな視点を得られたのは大きな収穫でした。
内定先の大林組では、大規模な建築に携われるというメリットを生かして、スタジアムのような多くの人に利用される建築物に携わりたいと考えています。建築を通して学んだことを生かし、ただ新しい建物をつくるだけでなく、地域の歴史を汲み、環境に調和した建物にすることが現在の目標です。
設計に行き詰まった時や悩み事がある時は、スキューバダイビングで思い切り自然を満喫してリフレッシュします。広い海に潜り、魚と触れ合えば、悩みもちっぽけなものに感じられます。